和竿の扱い方

和竿の使い方を知る

和竿は取扱いが難しい印象がありますが、他素材と大きな違いはありません。その中でも和竿特有の扱い方についてご紹介します。 竿の継ぎ方 ・穂先の細い部分から順に継ぎます。竿を継ぐ際は穂先から継ぎましょう。繊細な穂先から継ぐことで不意の事故を防ぐ効果があります。 ・竹の芽の位置が交互になるように継ぎます。和竿には竹の芽がありますが、この向きが交互になるように継ぎます。この状態は竹が生えている時と同じ状態です。自然状態に合わせることで、竹本来の強度が発揮されます。 竿の仕舞い方 ・仕舞う際は、竿の根本から抜きます。継ぐ時とは反対に手元から順に抜きます。一般的な竿も同様ですが、仕掛けをつけたまま袋に納めることは不意の事故に繋がりますので注意が必要です。 ・竿を抜く際は、真っ直ぐ抜きます。すげ口がきつく締まっているために、抜けにくい場合があります。その際は継ぎ口の近くを持ち、真っ直ぐ引き抜きましょう。捻りながら引き抜くと竿の破損につながる場合があります。釣り場での使い方 ・竿を出す際は、竿の芽の向きに注意してください。交互に継がれた竹の芽に均等に力を分散させることで、和竿が最大強度を発揮します。そのために、水面に対して芽が左右に向いている状態で釣りをおこないます。 ・差し込みが甘くならないように注意してください。特に振り込み竿の場合、次第に継ぎ口が緩む場合があります。定期的に竿の差し込みを確認しましょう。 ・和竿内部への入水に注意してください。湿気に弱いイメージがありますが、表面は漆が塗られているため、水濡れを過度に気にする心配はありません。一方で、継ぎ口から竿内部に浸水することは避ける必要がありますので、竿全体を水に沈めることは避けましょう。万が一入水した場合はよく乾燥させましょう。 それ以外の使い方は他の素材の場合と同様です。例えば高温多湿な環境に放置することや必要以上に力をかけることは避けるべきですが、過度に神経質になる必要はありません。

手入れの方法を知る

使用後に手入れをすることも和竿の楽しみの一つです。和竿を長く楽しむために、使用後のひと手間を楽しみましょう。 釣り場での手入れ・釣りを終えたら、布で水気や汚れを拭き取りましょう。竿を拭く際は、必ず根本から穂先に向かって一方向に拭きます。これは布が竿に引っかかることを防ぐためです。 自宅での手入れ自宅に戻ったら竿を直射日光に当たらない風通しの良い場所で2~3日乾燥させます。釣った魚によって穂先に曲がりが出ている場合がありますが、乾燥させることで元の形状に回復しますのでご安心ください(どうしても戻らない場合も職人の火入れで回復します。お気軽にご相談ください)。 竿油塗りツバキ油などの植物性油か、竿専用の油を継口内部に塗り込みます。油をさす際は下記の手順で行ってください。①差し込む側の竿の差し込み部分に軽く油を塗る②竿を継ぎ口に差し込む③竿を回しながら抜き差しして、継ぎ口内部に油を染み渡らせる※油塗りの頻度について油はシーズンに1~2回の塗布で十分です。必要以上に塗ると竿が重くなるだけでなく、職人による火入れメンテナンスが難しくなる場合があります。 定期的な職人メンテナンスをおすすめします。そのほか、可能な場合は定期的な職人メンテナンスをおすすめします。火入れや再塗装などにより、ほとんどの場合は完全に近い状態に修理することが可能です。メンテナンスの必要性については写真での診断も可能ですので、お気軽にご相談ください。