推奨する竹素材
WAZAO-IPPONは「布袋竹」を原材料とした和竿を推奨しています。工芸的な美しさを残しつつもあくまで実用的であるということ、また和竿特有の釣り味の良さを追求した時に、一つの正解が布袋竹にあると考えています。
- あらゆる魚種に対応しうる素材
- 駆け引きを楽しむ素材
- 川口和竿の発展を支えた歴史的背景のある素材
あらゆる魚種に対応しうる素材
布袋竹は細身で、強靭という特徴があります。肉質が硬く重さは伴いますが、見た目以上に耐久性が高く、特に防波堤などでの落とし込み用のヘチ竿などは十八番と言っても過言ではありません。また、風や雨などの悪環境に強いのも特徴で、船上からのヒラメ釣りなど、波がたって底を取りにくい状況を布袋竹の竿が解決します。
駆け引きを楽しむ素材
布袋竹は単に硬いだけではなく、弾力性に富み、粘り気のある反発を見せます。魚が食いつきた時に、グイグイと引っ張るような竿使いではなく、ひいては受け流し、受け流しては引いて、手繰り寄せるように釣り上げていく、まさに「和竿の楽しみ」を象徴したような釣り味を体感することができます。
竿の弾力性が力を吸収、分散することから、魚を必要以上に暴れさせることなく「いなす釣り」が可能です。例えば、ヒメマスのサビキ釣りなど一匹の魚がかかり暴れると他の魚が食いつきにくくなりますが、布袋竹の竿では魚をおとなしくするために、複数の魚が同時にかかりやすくなるとも言われます。
魚と一期一会の出会いを愛でるために、あえて"負け気味"の釣りの楽しみを提案します。
川口和竿の発展を支えた歴史的背景のある素材
埼玉県川口市は古くから数多くの和竿師を抱えており、最盛期には国内の和竿の約90%を製造するなど、名実ともに地域の一大産業を担っていました。その川口市が和竿の生産地として繁栄した理由の一つに、和竿の素材である布袋竹が芝川流域を中心に群生していたことがあります。
布袋竹は竿を節が高く、革張り肉質共に硬く、時間をかけて乾燥させることでその肌は象牙のような光沢と硬さを見せ始める美しさの他、一本一本の見た目が異なり、唯一無二の竿が出来上がることから人々に好まれてきました。
About 布袋竹
呉竹(くれたけ)、五三竹(ごさんたけ)、琉球竹(りゅうきゅうたけ)、人面竹(じんめんだけ)、仏眠竹(ふつみんだけ)とも呼ぶ。見るからに男性的なので俗に男竹とも呼ばれる。長さ2〜3尺から20尺以上に及ぶ長物もあり、太さは直径1分(3ミリ)くらいから、一寸五分(45ミリ)くらいまでにおよぶものがある。延べ竿をはじめおして、各種継竿の穂先竹にはなくてはならない原竹とされている。
和竿の原料竹として広く扱われているものには、
- 布袋竹
- 真竹
- 淡竹
- 黒竹
- 矢竹
- 内竹
- 丸節
などがあり、他、地域名をかぶせた特産竹がある。特に、和歌山県の高野山に産する高野竹は紀州、関西のへら竿師にの原竹として有名。