和竿の製造工程と選びかた
和竿ができるまで
1本の和竿を作るには、全部で100を下らない細かな工程が必要です。また、竹が育つまで1~3年、採取してから素材として使えるまでにもう3年、そこから完成するまで1ヶ月程度の月日がかかります。
①竹の採取
和竿で使用する竹は、竿の種類とその調子によって使い分けます。
竹には硬さの異なる1年竹、2年竹、3年以上の竹があり、さらに竹の種類や産地によってその特性が異なります。全国の竹林から最上の1本を採取するために、実際に職人が現地に行って竹を選別しています。
②竹の乾燥
WAZAO-IPPONの竿は、採取後に3年以上もかけて乾燥を行います。これにより竹に含まれた水分が丁寧に取り除かれ、植物の油分だけが残ります。この油分は竹竿の特徴である強い粘りを生み出すため、素材作りにおいてとても重要です。この工程を経て初めて和竿の素材が完成します。
※竹素材の販売も行っています。詳細はお問い合わせください。
③竹の選別
太さ、長さ、硬さ、美しさを見極め、何本もの竹を組み合わせて1本の和竿を作ります。例えば3本継ぎ竿の場合、穂先と2本目、3本目で異なる種類の竹を使用することで、狙い通りの感触に調整することもあります。無限にある組み合わせから最高の1本を見つけ出すことは奇跡に近い作業ですが、それをやるのが職人です。WAZAO-IPPONの完全に調和が取れた和竿の場合、最初から同じ竹だったかのような錯覚をもたらします。
④和竿の製作
ようやく和竿製作のスタートラインに立ちました。ここから1ヶ月程度の期間をかけて竹を丁寧に加工し、強度を補強するための絹糸巻きや漆塗装を行います。この際にもっとも難しい「火入れ」という作業をします。これにより竹の強度が大幅に高まり、強くしなやかな和竿に進化します。また、実用性をあげるための漆塗装にも様々な塗装方法があり、それによって息を呑むような美しさが生まれます。
④和竿づくり
自分に合った和竿の選び方
自分に合った1本を選ぶためには、どんな釣りしたいかを選ぶ必要があります。
①釣りのスタイルを決めましょう
もっとも大きな違いは、釣りのスタイルによる違いです。
・餌を使った落とし込む釣りの場合は「落とし込み竿」を選びます。
落とし込み竿:ヘラ竿|タナゴ竿|その他
・毛針やルアーなどを使った投げる釣りの場合は「投げ竿」を選びます。
投げ竿:テンカラ竿|ルアー竿|その他
※ルアー竿は現在商品テスト中です。ページ最下部のニュースレターにご登録いただけた方には、最新情報をご案内いたします。
②利用するフィールドを決めましょう
落とし込み竿か投げ竿かを決めたら、次に竿の長さを決めましょう。
基本的には狭いフィールドほど短く、大きなフィールドほど長い竿を選びます。
ヘラ竿やテンカラ竿をお選びの場合、10ftを目安としてください。
③好みの竿の調子を考えましょう
ある程度絞り込めたら、最後に竿の調子を考えます。総じて和竿の調子はグラスロッドに近いとイメージしてください。これまでカーボンを利用してきた場合は固めの竿の方が感触が近くなります。一方で、和竿の魅力が存分に発揮されるのは柔らかめの釣竿です。和竿らしさを求める場合は布袋竹(ホテイチク)など柔らかく粘りの強い竿を選びましょう。
それでも迷った場合
もし釣竿の選定に迷った場合は、竿のデザインや直感によるフィーリングを大切にすることが重要です。WAZAO-IPPONの竿は長く愛することで身体に馴染みます。
もしも要件に満たす竿が見当たらない場合や、竿を選びきれない場合、お気軽にお問い合わせください。