釣りフェスティバル2023

釣りフェスティバル2023

text: Chiaki Kato

2023年1月に初リアル出展した釣りフェス@パシフィコ横浜の様子を投稿します。

ディスプレイの模索

一番小さなブースをとりあえず借りてみたものの、商品が数多くあるわけではないし、和竿ってどうもディスプレイに映えない。せっかく出展するのだからただ漠然と竿を並べるのではなく、何かしらの学びや気付きを自分達にもたらすような、和竿のディスプレイの正解を探すための実験的な機会にしようと考え、森をつくることにしました。…どんな森?

自分たちのやっていることって、伝統を素直に真正面から引き継いでいくものではなく、もはや希少種と化してしまった伝統を土台として、現代におけるオルタナティブをつくること。そう考えた時に、ミクスチャー的な発想を根底に持ち続けていたいというのがなんとなくありました。だとするとその森は、釣りっぽい、日本の原風景たる渓流の景色じゃないのかも。世界の植物を織り交ぜた、現実にはない空想の森がいい。

名古屋のFlowerNoritake

森づくりをお願いしたのは、その時期にたまたま結婚式のブーケを作ってもらいたくて出会った名古屋のFlowerNoritakeさん。花に限らず「植物」すべてを素材とするストリートなスタイル。まるでジブリの空間に入ったかのような生命感あふれる空間を構築するセンス。自分自身、それまで「花」というものに興味を持ったことは全くなかったのだけれども、圧倒的な衝撃を与えてきた、カリスマイケオジフローリストの則武さん。思い立ったタイミングはもはや会期1週間を切っており笑、ダメ元で電話をして嘆願してみました。どうしてもやってほしいと。「任せてくださいよ」という言語道断の即答にさらに衝撃を受け、全身を委ねることに。

とはいえあまりの快闊さにビビった小物の僕が、思わず確認メールで送った内容が残っていた👇(今見返すと意味わからん。よく受け取ってくれました)
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我々が表現したいWAZAOに関するムードは下記のようになっています。
×爽やか、自然、健康、青々しさ
○野生、成熟、死、茶色

表現したい世界観としましては、
• 刹那
 • 生(死)、瞬(永遠)、命(猛々しさ)
• 融合
• 交わり、危うさ(毒)、サイケデリック
• 知性
• エレガンス、落ち着き、成熟

我々が日々釣りをする山や渓流は、青々とした自然の空間なのですが、
その生き生きとした自然の再現というよりも、そこで感じる幻想的な感覚であったりトリップするような体験、自然の畏怖というリアルをすくい取って誇張したものを表現できればと思っています。
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FlowerNoritakeの店舗入口。幻想的。

FlowerNoritakeの店舗入口。幻想的。

出来上がったブース

1週間前の連絡に対してマジで名古屋から横浜まで来てくださり、颯爽と構築していく則武さんチーム。結果できあがったのが写真のブースです。明らかに他の釣具メーカーのブースに対して、小規模ながら浮いている。謎空間。最高。これがきっかけで、変なやつらだと思ってくれたのか、色々な繋がりが生まれました。改めて flowernoritakeの皆様ありがとうございました。

森ができた

森ができた

余談ですが、

この釣りフェスの会期が僕の結婚式とダブルブッキングしてしまっており、それぞれの準備と運営が極めてカオスな状況でした。準備中の寝不足が祟り、直前期に納車二ヶ月の新車で物損事故を起こしたり、こんなにいい空間を作っておいて肝心の釣りフェス中盤戦は結婚式に参加のためにメンバー全員不在。ブースに立つ人が必要なのでピンチヒッターとしてYoutuberのないちゅ〜んさんに来てもらったり、チームメンバーを中心としてありとあらゆる周辺人物みんなも巻き込んで、全員でわちゃわちゃと不眠で乗り切った数週間。それもいい思い出です。